2015年8月28日金曜日

各種バッテリーの特性

現在主流となっているカルシウムバッテリーですが、耐熱性で劣るそうです。

正極・負極ともにカルシウム配合鉛を使用したものをカルシウムバッテリーと呼び

正極にアンチモン配合鉛・負極にカルシウム配合鉛を使用したものをハイブリットバッテリーと呼ぶ

そうです

カルシウムバッテリーの長所

1、大幅に自己放電が少ない

2、液の減りが少ない

3、この2点により長期保存に優れている

短所

1、高熱に弱い

2、深放電した場合、メモリー効果を起こしやすい

3、高熱にさらされる粒界腐食が発生し極板が割れる、対極に触れてショートして突然死する。事が

  あるそうです。

アンチモンバッテリーの長所

1、アンチモンにより耐熱性に優れる

2、深充電・深放電に優れる(強い)

短所

1、自己放電量および減液量が大きい為、液面管理・補液管理などの定期整備が必要

2015年8月24日月曜日

故障事例11

位置検出の集電装置 ゾーン回路のバーですが、

固定金具へ向けて接地が発生しています。

これは裏側で普段は見えていない外側になります。


これが正面側です、チラッと点検すると見落としますね。

ミラーとか使ってしっかり点検しましょう。

症状としては位置検出が働かず、動かない の故障ですね。

故障事例10

接触器 SK-2D

可動コアーがコイルに接触してるようで、








擦過損傷させて焼損です。

可動軸の軸受け摩耗でコアにガタが発生して

接触してしまった様子です。

2015年8月20日木曜日

故障事例9

 吹き消しコイル(消磁用アークシュート)からの

主回路接続部の溶損 

焼き切れる事が稀にあります。
 コイルの焼損・断線です
主パンダシューの銅板→端子接続部の折損です

2015年8月17日月曜日

シーケンス 巻下げEB制動用回路 75EB 31EB 2EB

巻き下げの1~4ノッチと巻上げ1~2ノッチで75EBが

作動します。注意点はOFF位置も含まれる所。

31EB1は巻き下げに入っている間、作動します。

31EB2は巻き下げ1~2ノッチで働きます。

75EBのA接を介していますので、注意。

さてさて、2EBは何の目的で回路形成をされているの

でしょうか?

コントローラーが巻き下げに入った後、OFFにされた

後でも、数秒間31EB2を働かせて巻き下げ後の

制動補助を行う目的の回路ということです。

2EBの限時設定は1~2秒が標準だそうです。

2015年8月16日日曜日

故障事例8 トラッキング シーケンス

 接点盤の炭化・短絡です。

埃・スケール・粉塵・が堆積し、そこへ湿気が加わる事で、

導通状態が発生し易くなるようです

トラッキングと呼びます。





裏側まで貫通してます。

回路が短絡される為、不可解な故障として兆候が発生します。

例:南に走行を入れたら、北に走ったなど
点検の際には、接点盤の裏も確認しましょう。

2015年8月15日土曜日

故障事例7 モーター カーボンブラシ

 カーボンブラシの溶着・ヒート・固着 の状態ですね。

上下方向への摺動が悪くなると、いずれ固着します。

相手側のスリップリングが真円ではないので、上下動作の

逃がしが重要です。


摺動が悪い場合は、手入れを行いましょう。

カーボンなので、あっさり削れます。

端子固定部のビスの緩みも厳禁です。しっかり点検しましょう。

昼・夜の気温差が大きい時期なども要注意です。

使用前点検で予防を図りましょう。

2015年8月14日金曜日

タイマー機器 限時継電器

 UN-TR4AF エアータイマーです。

回路形成にもよりますが、75TLXや2TLとして使用すると

ON状態が長い為か、よくよく壊れます。

空押しテストも良くないと思われます。

内部のエアーポンプが破損し易いですね。
 電子タイマー SRS-H 

一次側の電圧を検知して限時スタートのようで、高性能です。

そして壊れません。20年とかイケそうです。

ただし生産中止の様子で入手無理ぽいですね。

タイマー接点への導通テスターは電圧吸収されるので不可です。

二次側電圧で調査しましょう。
PTL-DA 頻繁に壊れてます。写真のは燃えてますが、

日常的な光景です。

タイマー設定も困難なので信頼性が低いですね。

2015年8月13日木曜日

故障事例6 シーケンス調査

サーマル 49 (回転機温度継電器 ) 熱動

作動させ過ぎると、内部のバイメタルが溶損(断線)します。

テスターで調べると早いですが、目視では困難ですね。 
切り替え(節約)抵抗内部の断線

これも抵抗値を覚えておけばテスターで調査は早いですが、

目視では時間を要します。

故障事例5 接地 シーケンス故障調査

 接触器コイル配線の接地

取り付け方法の不備ですね。
口出し線の登り口 接地

配管のガタで配電盤と分解されてエッジで擦れていました。

30年以上稼動すると、良くある現象ですね。
床面からの立ち上がり配線の接地。

やはりエッジで擦れていました。

こういう部分には養生が必須ですね。

2015年8月10日月曜日

故障事例4 端子台

よ~く見てみて下さい。断線してます。

この手の断線は発生が多いです。

点検する目を養いましょう。






解りやすいですが、短絡して焼損です。

セパレーター型に多い事例です。

いわゆるトラッキング現象ですね。

しっかり定期清掃しましょう。

故障事例3

シールド線での不具合

なにやらトゲが刺さった様な状態ですが、

外部からの損傷ではありません。

3芯です。



剥いてみると、配線同士が短絡して焼損していました。

内部のヨリ線が破断して鋭利な先端でお隣さんを

貫いたようで珍しい故障事例でした。

テスターで調べてイケば割と特定は早いです。

2015年8月9日日曜日

シーケンス 故障事例2

 コイル二次側ボビン抵抗へ接触してリード線が皮膜溶損+

接地
 電動油圧押し上げブレーキ 皮膜摩耗で接地

電動油圧押し上げブレーキ 皮膜摩耗で接地→焼損







などなどでした。

2015年8月6日木曜日

シーケンス 故障事例1

昨日の記事から繋がりで故障事例






接触器コイル一次側配線端子の折損

ブレーキ用コイル焼損
 ブレーキ用コイル 口出し配線の短絡接地焼損
配線ダクト口出し部の接地焼損







などなどです。

シーケンステスト 操作テスト


シーケンステストの方法です。

赤丸のNFBM1を遮断すると、動力回路が

遮断されます。操作回路はそれより一次側です

ので操作回路へは電力供給は可能です。

この状態で、電源投入+コントローラー操作を

行うとクレーンを動かさず制御盤内の各リレー

のみを働かせる事が可能です。

注意点ですが、

直流電磁ブレーキなどは、操作回路から電源供給される事があります。

巻上げブレーキに使用されていればブレーキ開放されますので必ず遮断器を遮断して

から操作テストを行って下さい。自重降下で吊り具が寝転んだという話は良く聞きます。

くれぐれも事前に遮断器の状態を確認して行いましょう。

2015年8月5日水曜日

シーケンス テスターの使い方 電圧測定

今回は電源投入して通電(運転)しながらの、テスター使用・故障調査の方法です。

テスターを通電部に接触させる前に手元など、接触させて感電しないように注意して下さい。

活線作業と言いますが、生きている回路に接触する危険があります。

この作業をされる方は、くれぐれも自職場での許可を得た上で、手元に注意して作業してください。

①まずは運転手と打ち合わせをします。
 
  故障調査→テスター使用となるので何を運転で動かすか
 
   どの様に運転するのか、どの位の回数を運転するのか、

  緊急事態の場合はどのように対処するか

②クレーンを運転し動かす前に警報などで合図します。無線機などの利用も良いです

  点検者は制御盤でテスターを使用します。連絡合図を確認して感電予防に努めます。

③通電部のテスター使用となります。

単純な例として、ブレーキ故障を。

ブレーキが作動しない場合、入力電力に合わせ

直流電圧のレンジへ電流値は大きい方から

下げていけば良いです。その内に覚えていけます。

コイル一次側と二次側へテストリードを当てる。(わにくちクリップ)で固定させても良いです。

通電(運転)してもらうと、正常な場合、電圧が検出されます。

ここで電圧が出ない場合はコイル配線を外して抵抗値を調べます。

もちろん電源は全て遮断してからです。抵抗値が正常な場合は、一次側へ進みます。

再度、通電(運転)しての電圧調査ですが、

R.MB抵抗の一次側と二次側を調査

75H接触機二次側を調査

ヒューズ二次側・一次側を調査

この様に進めます。

アナログテスターの場合、電力消費される場所でないと、電圧は表示されません。

こういう場合はデジタルが便利です。上の例でアナログではコイルとヒューズ部分しか、

表示されない事があります。

表示が出ない=電圧が掛かっていない=故障=断線となりますので、アナログだと

解りにくい面があり、経験が必要になってきます。

次回は運転しなくても良い、シーケンステスト(操作回路テスト)を説明しようと思います。


2015年8月3日月曜日

シーケンス テスターの便利な使い方 H.MB

回路調査では通電してからの電圧測定や電源遮断してからの抵抗・導通測定ならびに

離線・分離してからの抵抗・導通測定を繰り返して故障原因特定を行います。

範囲が広い場合や、電源の入り切りが増えると労力が増える一方ですね。

そういう時にテスターを使用して原因特定に対してを絞り込みを行います。

電気は抵抗の少ない所を好んで通行します。その性質を利用してテスターを使用します。



 巻上げブレーキ操作回路です。

故障していると仮定してこれから調査します。

断線や接触不良と想定して進めます。





75H二次側の主接点へテスターのリードを

当てて導通(抵抗のレンジ)を調べます。

MBとR.MBの抵抗値の合計が出る筈です。

無限大の場合、断線です。


75H二次側P線から73H二次側でテスター

します。R.MBの抵抗値が出る筈です。

無限大の場合、断線です。





75H二次側N線から73H二次側をテスター

します。MBの抵抗値が出る筈です。





このようにして、断線・導通の有無を調べます。

目視点検するより、作業が早いですね。

抵抗の断線・コイルの断線・配線の断線に関しては、数値を覚えれば判断が早いです。